創業からの歩み
「リサイクルで人と自然を元気にします!」
昭和12年5月に創業者の小倉準蔵、ゼン夫婦はマイナスからの出発でした。先代の借金を返すために、わずかな所帯道具と近所の方たちからの援助で、小さな油屋からスタートしました。近隣の農家を回りながら、大八車に乗せた油絞りの道具一式で巡回しました。地元の小野寺~岩舟~栃木~佐野まで出かけ、菜種油を絞って食用油、粕も葉タバコの貴重な肥料となりました。戦後、小倉富久持も加わり、インスタントラーメンの登場と共に、菜種油からラード(豚脂)の再生を手がけるようになりました。当時、貴重な油脂原料や廃食用油は競って集荷され、広く塗料や石けんなど工業用に高値で販売されました。昭和48年、紙器加工の事業にも手を広げましたが、本業である油脂製造に本業回帰しました。
昭和52年に中古エキスペラーでラーメン、ポテトチップス、揚せんべいロスから油を絞り油分は石けん、脂肪酸原料、固形分を養豚用配合飼料の原料にする事業をはじめました。戦前からの油絞りの技術が活かされました。微妙な温度・水分・配合割合などの条件を社員さんたちの努力と熱心な工夫から、日々改善しています。
平成10年、自社原料を活かす目的で有機肥料や土壌改良材の製造に挑戦しました。困難な道でしたが、社員さんの努力と農家、JAや販売代理店の皆さんの協力で、徐々に良い評判が広がり、利用者が口コミで販売を助けてくれました。特に「リヴァイブ大地」は土が柔らかくなり、根張りが良くなり、農産物の食味向上や耐病性が増すと好評です。土壌消毒剤や合成殺菌剤に頼らず、複合土壌菌の発酵熱と分泌物で有害菌の発生を抑える「太陽熱消毒」が注目されています。困難な道ですが、多くの消費者が求める「安心・安全」な農産物を育て、作り手の顔の見える「地産地消」と「資源循環型農業」への転換が急務です。農家、JAや流通、消費者との橋渡しをしながら「循環の環」を作ることが小社の使命です。
やまこ産業株式会社
代表取締役 小倉 美惠子